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ごあいさつ

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こんにちは。チーム・ヴォルクのヨシザワです。
 
これから、「ドワーフ×ソニー・クリエイティブプロダクツ」の共同制作で誕生した、
“なまいきヴォルク”誕生までの過程と、Now & Thenをこの日記でお届けしたいと思います。
 
よろしくお願いいたします!
 
 
★ドワーフ…キャラクターデザインやこま撮りアニメーションを手掛ける会社です。

『はじまりの日』 2008年9月某日

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遡ること、約1年前。
東京は中村橋にある、『どスタ』での雑談からこのプロジェクトは
始まりました。
とあるパーティーでのこと。
 
「合田さん、新しいキャラクターをつくりませんか?」
「いいですね! ぜひ、やりましょう!」
 
こんな感じです。
さっそく、ドワーフの松本Pが動き出しました……。
 
 
つづく。
 
2009.12.10

『いっぽ』 2008年10月某日

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場所は、都内某所。
 
合田監督はじめ、ドワーフ&ソニクリ(ソニー・クリエイティブプロダクツ)のメンバーによる『チーム・ヴォルク』。
 
何にもないところから、何かを創り出すのはなかなか難しいことです。
でも、とっても楽しい作業です。
 
最初は、「あーでもない、こーでもない」なんて感じで、各自思うがママのコメントをぶつけ合いました。
 
「主人公は、男の子? 女の子? 人間がいい? 動物がいい?」
決めなければいけないことは、たくさんあります……。
 
 
つづく。
 
2009.12.17

『にほ』 2008年10月某日

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あたりまえですが、なかなかアイデアってまとまるものではありません。
そこで、最初にどうやってデビューさせるか、を考えました。
 
議論は、さらに白熱──すると思いきや、全員一致。
 
「やっぱり絵本でしょ!」
 
不思議なことに、他のアイデアは出ませんでした。
では、なぜ絵本か?
それは、長く愛されるものを創りたいという想いがあったからです。
消費されるものではなく、自分の家族のように長いつき合いになるもの、それは絵本であるという共通認識があったのでしょうね。
 
さあ、なんとなく見えてきました。
 
今度は、どんな絵本にするか、中身を決めます。
 
チーム・ヴォルクは、絵本制作委員会(仮)を結成し、ミーティングを開始しました!
 
 
つづく。
 
2009.12.25

『ともだち』 2008年10月下旬

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絵本制作委員会(仮)は、絵本についての議論を始めました。
 
まずは、委員それぞれから、絵本に思い出や子供時代についての告白タイム。
 
なんとなく共通していたのは「自分だけの友だちがいた!」ということ。それは人形だったり、おもちゃだったり。
 
架空の友だちに、みんな話しかけたりしていたようです……。
 
これって、何かのヒント?
 
 
つづく。
 
2010.1.6

『どんなえほん?』 2008年11月某日

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思い出を語りあった絵本制作委員会(仮)メンバー。
と同時に、絵本のフォーマットなども決めなければいけません。絵本と言っても、いろんな形式があります。
手描きのイラスト、CG、写真。なかには文字がない絵本だってあります。
いったい、どんな絵本の見せ方がいいのでしょうか?
 
でもでも、「ドワーフがつくるんだから、人形を使った実写(写真)がいいなあ」と思うのがファン心理なのでは。
絵本制作委員会(仮)でも、「ドワーフらしさは、こま撮りらしさ!」という意見が提出され、
写真で絵本を構成するという方向性が決まりました。
 
そして、イメージトレーニング。いろんな参考文献をみます。
写真は、その時に見た絵本の一部。
 
神保町(東京)の古書店で購入した、何十年も前にアルゼンチンで発行された写真絵本。ところがなんと!
それは日本の絵本を翻訳したものだったのです!
日本のカルチャー、あなどりがたし!
 
さて、今度は本格的に中身について考え始めなければ!
 
 
つづく。
 
2010.01.15

『主人公』 2008年12月某日

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物語を創り出すのに必要不可欠なもの。
そう、それは“主人公”です。
 
ハードウエアである絵本の概要が「写真絵本」と決まったので、今度はその絵本を舞台にストーリーを紡ぐ主人公を決めなければなりません。
 
一口に決める、といってもその内容はいくつもあります。
人間なのか、動物なのか、はたまた宇宙人なのか。
男? 女? それとも謎?一人? 三人? たくさん?
どんな性格なのか。何歳くらいにするのか。
などなど、枚挙にいとまがありません。
『どーもくん』『こまねこ』というキャラクターを考案してきた合田監督。
果たしてどんなプランを持っているのでしょうか?
 
「今回は、あんまり女の子ターゲットとか、男の子ターゲットを意識せず、
いままでにないものを創ってみたいような気がします……」
 
そして、合田監督から提案されたのが、“自称”オオカミとぬいぐるみのハーフという男の子の主人公。
ぬいぐるみかも知れないので、ポケットに入るプチサイズです。
 
 
つづく。
 
2010.01.21

『キャラクター性』 2009年1月某日

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う〜ん、なかなかかわいいかも!
体の色が白と黒でシンプルなところもいい感じ。
 
今度は、このデザインをもとに、変更の必要があるかないか、必要があるとしたらどんな部分か? ということをチーム・ヴォルクのソニー・クリエイティブプロダクツのメンバーと一緒に検討していきます。
 
色は黒のままでいいだろうか。
首の赤い輪(首輪)の色は赤がベストか。
裸ではなくて服を着せてみるか?
いろんな意見が出て、そのたびに合田監督のイラストに修正が加えられました。
 
そして最終的に「これがベター!」というビジュアルに辿り着きました。
それが、現在の『ヴォルク』のキャラクターデザインです。そう、結局いちばん最初のママ。
変更なしがいいよね、ってことになったのです。
 
なにはともあれ、主人公のイメージが決定しました。
 
では、この主人公に、魂を吹き込む作業を開始しましょう。次はネーミング会議です!
同時に、撮影用の人形づくりも開始します!
 
 
つづく。
 
2010.01.26

『コードネームは"ポン吉"』 2009年2月某日

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名は体を表す。
昔の人はためになることを言いました。
 
主人公のビジュアルが決定。では、果たしてどんな名前が、このコにふさわしいのか。この名前によって、ファンの方々に与える印象がまったく違ってしまいます。
 
絵本制作委員会(仮)のメンバーは、日を改めてネーミング会議を行い、アイデアを出し合いました。実は、この会議前から、松本Pは勝手に「ポン吉」という名前を付けて呼んでいました。
 
「この、ポン吉はねえ……」
「ポン吉の性格って、どんなだろう?」
 
そして、松本Pの仕事用ファイルを見るとそこにも「ポン吉」と印字されたラベルが……。
それはさておき、いろんなネーミング案がでました。
オオカミということなので強そうな名前があったり、ひらがな表記の案があったり、ソフトなものがあったり。
業界用語風に、「かみおお」なんていうのもありました。
 
アイデアは千差万別です。その中で、偶然にも2名から同じ名前が提案されました。
 
 
つづく。
 
2010.01.28

『名前決定』 2009年2月某日

奇しくも、複数の提案があったもの。
それは、『ヴォルク』という名前でした。
 
ロシア語でオオカミという意味です。
提案者は合田監督とヨシザワ。
 
『ウルフっぽい感じもあるし、
  ロシア語ってなんかいいんじゃないですか』
『キリル文字(ロシアで使われている文字)で書くとなんかいい感じ』
『かわいい見た目だからかわいらしい名前、ではない方法論もありだよね』
などなど、大きな反対意見もでず、意外にすんなり名前が決定しました。
きっと、このコは『ヴォルク』と名付けられる運命だったのでしょう。
 
格闘家のヴォルク・ハンと関係があるのかどうかは──秘密です。
 
姿形と名前が決まったこの『ヴォルク』、今度は彼の物語を考えなくてはなりません。
原作者である合田監督、またもや宿題が出されました。ストーリーづくりです。
 
 
つづく。
 
2010.02.03

『ものがたり』 2009年3月某日

ひとくちに「ストーリーづくり」と言っても、
いろんなやり方があります。
 
文章(テキスト)を先に考える、あるいは絵柄をイメージしてから言葉を考える、などなど。 作者によって、その手法は様々なバリエーションがあります。
 
まず始めに、「ベーシックストーリー」と題してその世界観を決めました。そこを突き詰めるのか、広げていくのか?
ともかく、物語の基本となる世界を決めようというわけです。
 
そこで合田監督が、絵コンテ風に『ヴォルク』の世界を描いてくれました。
続いて、ストーリーボードと呼ばれる手法に似たやり方でその世界観を広げます。
ストーリーボードとは、絵コンテみたいなものですが、今回は1枚の用紙にひとつの画を描いて、
順番を入れ替えたりして「ああでもないこうでもない」と構成を練っていきました。
 
ストーリーづくりのミーティングは、もちろん一回では終わらず、数回に渡って行いました。
その度に、絵本制作委員会(仮)では、いろんな意見が出ましたが、
ストーリーの基幹がだんだんと形づくられてきました。
 
 
つづく。
 
2010.02.04

『絵本づくりの準備完了!』 2009年春〜夏

『ヴォルク』のストーリーは、女の子と出会い、その日常を舞台に描いていこう! という内容でおおよその方向性が決まりました。
物語のコンセプトには「ちょっとだけホロッとくる感じ」を入れるという提案も、合田監督から出されました。
 
と、書いてしまえば簡単なことですが、この結論にいきつくまで、
実は数ヶ月かかっています。
ベーシックストーリーは表に出さず、その後のシーンを描いた方がいいのではないか? いやいや、ベーシックストーリーを基本にした方がいいだろう?などなど議論百出。
 
でも、どうして『ヴォルク』がやってきて(女の子と出会って)、どんな毎日を送ったのかを描くことで、彼の性格や周りの世界のイメージを伝えていこう、という合田監督の最終的な意見にみんな納得!となったわけです。
 
とうとう、ストーリーが(ほぼ)完成しました!

そして、ストーリーづくりと並行して行ってきた作業。
そう、それは撮影用の人形づくりです。
2009年の初夏に依頼した『ヴォルク』の人形が、
8月に入ってついに完成しました。
 
完成の日、チーム・ヴォルクは「どスタ」に集合!
箱から出された『ヴォルク』と、ご対面です。
生まれたてのわが子と会うような、嬉しいような恥ずかしいような気持ち……。合田監督はどんな気持ちだったのでしょうか?
 
いよいよ、本格的に絵本づくりが始まります!
 
 
つづく。
 
2010.02.05

『ロケ その1』 2009年 秋

合田監督率いるドワーフのみなさんは、いよいよ写真絵本のためのロケを開始しました。
 
物語の構成を元に、「どんなシーンになるか」を考え、そのシーンをイメージ通りに写真にするためには、何が必要かを検討します。もちろん、いわゆるロケハンという、撮影現場の下見も必要です。
 
絵本のストーリーは、森の中で女の子とヴォルクが出会うシーンで始まることになりました。
ドワーフがある東京からそれほど遠くない場所で、森っぽい自然があって、合田監督の頭の中にあるイメージに近い場所……。
 
そこから導き出された場所は──群馬県の某町でした。
 
ロマンチック街道と呼ばれる通りと長野県軽井沢町を結ぶ国道の端に位置するその町は、どことなく日本ではないどこかを思わせる風景を見せてくれる、ぴったりのロケーションでした。
 
さてさて、その現場での様子。
通常はアニメーターとして熟練の技術を見せてくれる峰岸さんがポージングしたヴォルクを、地面に這いつくばって撮影する合田監督(写真上)。
 
絵本の画を撮るために、こんな裏側があったのですね。
 
そして、ロケはまだまだ続くのです。
 
 
つづく。
 
2010.02.09

『ロケ その2』 2009年 秋

今回の絵本に使われた写真はすべて、フィルムで撮影されたもの。
 
昨今は、雑誌でもデジタルカメラを使うことが多くなってきましたが、やはりフィルムの暖かさは何ものにも代え難いということで、あえてアナログな方を選びました。
 
でも、絵本の中には、1枚だけデジタルカメラで撮った写真が使われています。さあ、それはどのぺージでしょう?(表紙と扉は除きます)探してみて下さいね!
 
話は戻ってロケ。絵本を見ていただければ分かりますが、屋外と屋内の2パターンで行いました。
屋外は、群馬県某町、とある海岸、都内の公園などなど。
屋内は、スタジオ、学校(実際にある小学校です)などなど。
 
いろんな場所へ行きました。たくさんのカットを撮影しました。すご〜く、かわいい写真なのに、泣く泣く掲載を断念した写真もありました。
 
そんな、いろんなたくさんの事を経て、ロケが終わろうとしています。
 
 
つづく。
 
2010.02.10

『絵本づくり開始!』 2009年 冬

さてさて、そんなロケもすべて終了。
絵本につかうための写真がすべてそろいました。
 
つぎにやるべき作業。それは、編集作業です。
いよいよ、編集者、出版社、デザイナー(装丁家)の本格的な出番です。
 
まずは、発行元の講談社さん会議室に編集スタッフ(といっても3名)が集合。
ロケで撮影した写真の中から、絵本に使う25枚をチョイス。
その写真を合田監督が考えた絵本の文章にそって、
「ここにはこの写真を」
「こういう順番で構成した方がいいかなあ」
と論議しながら、テーブルの上に並べていきます。
 
こうして、全体のページ構成が決まりました。
書名も『なまいきヴォルク』に決定です。
 
次はデザイン。
そして校正などを終えれば、いよいよ完成です!
 
 
つづく。
 
2010.02.17

『絵本完成まで、あといっぽ!』 2010年1月

デザイナーさんがつくってくれたレイアウトのデータを印刷会社に納めると、通称「色校(いろこう)」と呼ばれる試し刷りが出てきます。
 
この色校で、印刷の具合を確認したり、文字の間違えを発見して修正したりするわけです。
本当に本当の最終段階。あと少しで完成という段階です。
 
今回は、表紙カバーに「PP加工」を施しました。
ピカピカ、ツルツルの加工です。
表紙カバーと一緒に、『ヴォルク』にも輝いて欲しいという願いを込めました。
 
印刷会社さんと、写真の色についてのやりとりを行うこと3度。
ついに校了を迎えました。校了とは、編集作業がすべて終了したということを意味します。
 
あとは、印刷。そして製本されて、いよいよ絵本が完成です!
 
 
つづく。
 
2010.02.18

『絵本『なまいきヴォルク』完成!』 2010年2月

絵本の発売日からさかのぼること9日。
『なまいきヴォルク』の見本が編集部に届きました。
書籍は、発売の9日程前に、「取り次ぎ見本」と呼ばれる試し刷りを作ります。とはいえ、ほとんど完成形です。
 
これで問題がなければ、発売に向けた印刷が始まります。
本をパラパラとめくります……。
問題は──ないようです(多分)。
 
これで印刷以外、すべての行程が終了。
いよいよ、発売当日を迎えることとなりました。
 
 
つづく。
 
2010.02.19

『絵本発売!』 2010年2月19日

ついに、ついに、ついに、発売日がやってきました!
 
もう、絵本がお手元にある方も多いでしょう。
とにかく、見てやってください。
とってもかわいいくて、それでいて切ない写真と物語が
たくさん詰まっています!
お気に入りの場面があると嬉しい限りです。
 
さて、この「メイキング・ストーリー」ですが、
番外編を3月13日(土)のトークショーで披露したいと思います。
ぜひ、ご来場ください!
 
 
つづく。
 
2010.03.04

『「ヴォルク」のいる風景』 2010年3月

絵本『なまいきヴォルク』が発売されてから1週間あまり。
大きな書店さんの店頭でも、表紙を目にすることができます。
嬉しいことですねー!
 
『なまいきヴォルク』の絵本を出版しているのは、いわずと知れた講談社さん。 東京の護国寺という駅の真上に位置する老舗大手出版社です。
 
講談社さんの社屋の前には、新刊を並べたディスプレイがあります。 その中に『なまいきヴォルク』を見つけました!
人気の雑誌や絵本たちの中にヴォルクも仲間入りです♪
 
それにしても、たくさんの本が出版されているのですね〜。
 
書店さんは、年々減っているとのことですが、
よい本はいつまでも残ってほしいものです。
 
 
つづく。
 
2010.03.05

『「ヴォルク」in ジュンク堂』 2010年3月

トークショーの日が迫ってきました!
 
刊行記念の、このイベントが終われば、絵本制作も一段落という感じ。
 
そのトークショーが行われる、新宿にあるジュンク堂さんの店頭では、こんな感じで絵本『なまいきヴォルク』がたくさん並んでいます★
 
発売2週間後には、ジュンク堂さんでの売れ行きベスト20以内にランクインした模様! トークショーが行われる今週と来週の売れ行きは、どんな感じになるのでしょうか!?
 
新宿に行かれる際は、ぜひお立ち寄りください♪
 
 
つづく。
 
2010.03.10
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